活性酸素の除去に関わる酵素は、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)やグルタチオンペルオキシダーゼ(GPX)やカタラーゼですが、
これらの活性酸素除去剤(スカベンジャー)はそれぞれ役割があります.
最初に生成するスーパーオキシドを転換するスカベンジャーが、SODという酵素で、絶えず体内で生合成されて、全身の細胞の内外に存在しています.
SODは、スーパーオキシドが発生すると、瞬時に触媒として働いて、過酸化水素に転換させてしまいます.
過酸化水素は GPXやカタラーゼ(ミトコンドリアでは)が作用して酸素と水に分解します.
スパーオキシドや過酸化水素が転換されず、たまたま遊離の鉄(銅)イオンが存在すると、反応してヒドロキシラジカルと言う極めて活性(傷害性)の強い活性酸素に変換します.
ヒドロキシラジカルはそばに存在する組織、蛋白質、酵素、細胞膜、遺伝子などと反応して瞬時に消滅しますが、反応によって、遺伝子が障害を受ければ、変異細胞からガン細胞へと移行する可能性があり、細胞や組織の機能が傷害されれば、老化病に移行するリスクが高まります.
スーパーオキシド、過酸化水素或いは鉄イオンを野放しにしておくと、ヒドロキシルラジカルが次々と発生してくるわけです.
ヒドロキシルラジカルの発生を未然に防ぐには、SODとGPXがチームを組んで常に待機している必要があります.
スーパーオキシドはSODが存在しなくても、自身が反応して5秒ほどで過酸化水素に変化するとされています(鉄イオンに会わなければ良い)、そのため過酸化水素を消去するGPXが、結局、活性酸素除去の重要なポイントだと思われます.
GPXはセレンを含んだ蛋白質ですから、セレンが活性酸素除去のキーミネラルと言えるわけです.
セレンとアミノ酸のグルタチオンが体内にたくさんあれば、GPXは次々と生産され、発生した過酸化水素に作用して無害な水と酸素分子に転換していきます.
GPXはさらに大切な働きをしています.
仮にヒドロキシラジカルに細胞膜が酸化されると、連鎖反応を起こして過酸化脂質が溜まり、細胞機能を損ない臓器の障害が誘導されるかもしれません.
ビタミンE、C、CoQなどがこの連鎖反応を止める働きをし、生成した過酸化脂質はGPXが無害な分子に変換するとされます.