1.アトピー性皮膚炎と栄養素の関係アトピー性皮膚炎と栄養素の関係
1)アトピー性皮膚炎の特徴
2)粘膜と皮膚の不調
3)消化不十分の蛋白質が抗原となりやすい
4)免疫の不調
5)マクロファージの活性化
6)プロスタグランジンE2を減らす
7)プロスタグランジンE3を増やす
8)砂糖を摂りすぎない
9)副腎を強くしましょう
10)ヒスタミンを減らしましょう
2.アトピー性皮膚炎と免疫応答の図表
一方、血液中やリンパ液中で増殖しようとする微生物に対しては、これに適合する抗体(特殊な蛋白質)を作って、抗体の結合によって、活性を失わせたり、殺したり、貪食細胞に捕まえやすくしたりするのが巧いやりかたで、これはTh2細胞によって誘導されます. IgEは本来侵入寄生虫を捕らえるための抗体だと考えられています.
ヘルパーT細胞が、2つに分かれるには信号が必要で、インターロイキン12(IL-12)というサイトカイン(細胞間の信号蛋白質)を受けた未分化のヘルパーT細胞はTh1に、IL-4を受けた未分化T細胞は、Th2に誘導されます、また、Th1細胞が出すインタフェロン-ガンマー(IFN-γ)は、Th2の働きと分化を妨げ、Th2が出すIL-4、IL-10はTh1の働きと分化を妨げ、促進と抑制の二重の制御を受けているようです.
IgEを生産する作業をTh2細胞が誘導するのですから、Th2からTh1へスイッチを切り替えればIgEが減ることになります、例えば、IL-12やIFN-γのサイトカインを増やせば、IgEを減らし、アトピー性皮膚炎の症状が緩和する可能性が高いことになります.
また、抗酸化栄養素の摂取が、Th1へ誘導するという報告もあります.
詳しくはヘルパーT1とヘルパーT2のバランス、及びTh1を高めTh2を抑える図表
をご覧ください
マクロファージ(貪食細胞)が出す主なサイトカインは、IL-1、IL-6、IL-12、TNF-αなどです.
マクロファージを活性化することは、有効かも知れません.
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)はIL-12を受け活性化し、IFN-γを分泌するので、この細胞を活性化すつことも、IgEを減らすのに有効のように思われます.免疫研究最前線からの成果を期待しましょう.
また、マクロファージ系の細胞で、皮膚の上皮細胞の間に定住するランゲルハンス細胞は、皮膚の免疫と修復の中心的役割を担っているため、その活性が皮膚の健康維持に大切です. マクロファージの活性には抗酸化栄養素が大切です.
ベータ-1,3-D-グルカンと言う成分がマクロファージを活性化するという報告があります.
ベータグルカンが、マクロファージに結合すると、その活動(移動能、貪食能)が高まり3日でピークに達し、6日後に元に戻ると言われます.
ベータグルカンを多く含む食品としては茸類があります、例えば食品店で”まいたけ”を求め、30g(1/3パック)程度を週に2回摂ると、マクロファージの活性が適度に保たれると考えられます.
アレルギー体質は、空腹時の血糖低下に関連性が高いと言われます.低すぎる血糖を、正常に保つために、ホルモンが働き、糖の新生が起こる必要があります.
血糖を高めるホルモンは、副腎ホルモンのコーチゾルやアドレナリンですが、これらの働きが弱い、また、糖の新生には2つの経路があり、1つは貯蔵グリコーゲンを分解してグルコースとする、これに必要な酵素がホスホリラーゼですが、砂糖を過剰摂取すると、代謝産物のフラクトース-1-燐酸がたまり、この酵素の働きを妨げるのではないかとかされています.
いま1つは、ピルビン酸とオギザロ酢酸からホスホエノールピルビン酸が合成される経路ですが、
これにはビタミンB群のビオチンが必要で、これが不足している疑いもあります.
マクロファージと好中球は細菌を殺すのに活性酸素を使います、この活性酸素は、糖分解の過程でできる
NADPHで酸素を還元してつくります、血糖低下状態では殺菌作用が弱まります.
また、活性酸素で自分が傷害されないように、十分な抗酸化栄養素が必要です.